電磁波カットのシールをよく見かけませんか?
簡単、貼るだけ、電磁波対策っ!
さて、このような電磁波防止シールといった商品を多く見かけますが、実際に効果があるのか気になりますよね。
この記事では、電磁波防止シールに効果があるのかを徹底解説したいと思います。
結論:電磁波防止シールに効果があるとは思えない
結論から言うと、電磁波防止シールに効果があるとは思えません。
理由としては、商品の説明にさまざまな矛盾があるからです。
とはいえ、口コミを見ると
「シールを貼ったら軽くなった」
「よく眠れる気がする」
このような意見も目にしますよね。
電磁波とは対策効果が目に見えてわかるものではないため、こういった商品が多く販売されているのも事実です。
そこで、この記事では電磁波防止シールに効果がないと思う点について解説していきます。
電磁波防止シールは嘘?効果がないとされる理由
ここからは、電磁波防止シールに効果がないとされる理由について解説します。
①:そもそも電磁波の何を防止しているのかわからない
商品の推しポイントとしては、「5G時代を快適に」と書いてあります。
という事は、高周波対策なのかな?と考える事ができます。
一方で、解説画像を読み進めていくと「多くの電化製品から電磁波が出ている」との記載もあります。
電化製品であれば低周波の対策なのでは…?
電磁波について少し勉強された方ならおわかりかと思いますが、
高周波対策なのか低周波対策なのかはっきりしない…
ここにひとつの疑問が思い浮かぶはずです。
このような製品を購入する前に、電磁波の何を対策した商品なのかをしっかりと理解した方がいいでしょう。
②:ゼロ磁場が電磁波を吸収?
ゼロ磁場は、地球の磁場が存在しない状態の事です。
特に、特定の場所や環境で生じるとされ、エネルギーの流れが活性化するとの主張があります。
これにより、電磁波の影響を軽減する効果があるとされることもあります。私も、ゼロ磁場を否定するつもりはありません。
私もパワースポットと呼ばれる場所は嫌いではないですし、実際にそのように言われている場所には何らかの効果がありますよね。
ただし、そのゼロ磁場と呼ばれるものを貼るだけのシールで作り出せるのか?
そんなことができたらゼロ磁場だらけの世の中になるやん!
しかも、そのゼロ磁場を発するシールに、周りの電磁波が集まるとされています。
電磁波が集まるというのは、科学的にも証明するのは難しいと思います。
③:高周波対策の矛盾
低周波対策にならないのは、アースを取っているわけでもないしなんとなく理解できるかと思います。
では、高周波対策になっているのか?
答えは限りなくNoに近いと思います。
シールを貼った位置を中心に360°カバーすると書いてありますが、どこにそのような根拠があるのでしょうか?
確かにスマホは高周波を用いて通信するので、高周波を集めやすい媒体です。
とはいえ、このようなシールで高周波をカットした場合、そもそも通信するための機器を阻害する事になりかねません。
高周波を用いる機器に対して、高周波をカットするような対策製品は通常意味をなさないものです。
そもそも、高周波を対策するならWi-Fi機器の対策や枕元にスマホを置かないなどの基本的なところを対策すればいいでしょう。
④エビデンスが示されていない
仮に、電磁波シールが高周波対策になっているとしましょう。
それだけ自信を持って電磁波対策がなされているというのであれば、その効果を数値で示すべきです。
私たち電磁波測定士は低周波対策を主に実施しますが、低周波の中でも電場と呼ばれるものを対策します。
低周波に関しては、低周波の数値を測定器でお示しして、対策製品を用いた場合とそうでない場合の比較が容易です。
一方で、高周波は一定した数値化が難しく(常に変わり続けるため)、あらゆるものに反射して回り込むため、一つの機器を対策したからと言って防げるものではありません。
電磁波防止シールといった製品は、その効果を数値で示す、または科学的に証明しているといった根拠がないものがほとんどです。
では、何で効果があるといった口コミが見られるのか疑問に思いませんか?
電磁波防止シールはいわゆるプラシーボ効果である場合が多い
プラシーボ効果について解説しますね。
プラシーボ効果(Placebo Effect)とは、医療や治療の分野で、実際には薬理学的に効果のない偽薬や治療を受けたにもかかわらず、患者が症状の改善を感じる現象を指します。具体的には、患者が「この薬や治療は効果がある」と信じることで、脳や体が実際にその信念に反応し、症状が軽減したり、気分が良くなるというものです。
たとえば、砂糖を詰めたカプセルを「痛みを和らげる薬」として患者に与えた場合でも、患者がそれを本物の薬だと信じると、痛みが軽減することがあります。プラシーボ効果は、心理的な要因が治療結果に影響を与えることを示しており、医療研究や治療効果の検証において重要な概念です。
つまり、効果があると思い込めば、実際に効果があったと感じてしまう場合があります。
ただし、一概にこれが悪い事とは言えません。
プラシーボ効果でも、実際に効果を感じる方もいるので、商品そのものを悪くは言えないとも考えられます。
まとめ:電磁波対策は何を信じるか、情報弱者にならないようにする
この記事では、電磁波防止シールの効果について解説、考察しました。
私も科学者ではありませんので、実際に効果があるかどうかははっきりしません。
ただし、一般論的には科学的にも説明しがたい商品であり、その効果はあまりないと考えるのが妥当です。
「電磁波防止シールが嘘だ!」とまでは言いませんが、電磁波対策について学んだ事がある方にとっては疑問に感じる部分も多いでしょう。
とはいえ、プラシーボ効果なのか、効果を感じている方が一定数存在するのも事実。
そもそも電磁波対策ですらうさんくさいと言われている世の中ですので、何を信じてどう行動するかはその人次第なところがあります。
電磁波による身体への影響は、さまざまある身体の不調の一部にすぎません。電磁波を対策したからと言って、何かがすぐに大きく変わるわけではありません。
私自身まだまだ未熟者で、間違った意見を発信してしまう可能性もあります。
世の中に出回っている間違った情報に左右されず、まずは自分自身でしっかりと考える力を身に付けてくださいね。
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