現代社会において、スマホやパソコン、電子レンジなど身近な電化製品から発生する電磁波は、私たちの健康に影響を与える可能性があります。
しかし、電磁波対策は複雑で難しいイメージを持たれている方も多いです。
電磁波は、電気や磁気の力が空間を伝わる波のことで、主に低周波と高周波に分けられます。
私たちの生活に欠かせない電化製品から発生しているのが低周波、スマホやパソコンなどのデバイスなど通信に用いられたり、電子レンジで使用しているのが高周波です。
このように日常的に使用している電化製品やスマホ、照明などさまざまなものから電磁波は発生します。
近年、電磁波が私たちの健康に与える影響について研究が進んでいます。電磁波が身体へ与える影響として、睡眠障害や頭痛、集中力の低下、不妊などが電磁波によって引き起こされる可能性があります。
しかし、電磁波は目に見えないものであり、電磁波による影響は一般論として語られていないため、実際に対策ができていない人が多いのが現状です。
本記事では、初心者でも簡単にできる家の電磁波対策の方法を紹介します。
電磁波対策に必要な知識とは
電磁波対策を行うためには、まず基本的な知識が必要です。ここでは、初心者でもわかりやすく電磁波について解説します。
電磁波とは空間を伝わる波
電磁波とは、電気や磁気の力が空間を伝わる波のことです。私たちの生活に欠かせない電化製品から発生しており、スマホやパソコンなどのデバイスからは、電波を使った通信が行われるため、電磁波が放出されます。また、電子レンジや電気毛布などの家電製品からも電磁波が発生しています。
そのため、電磁波とは生活の中で存在しており、完全に電磁波環境から逃れるのは不可能といえます。
電磁波の種類と特徴
電磁波には、周波数が異なる複数の種類があります。主な種類を以下に紹介します。
・極低周波電磁波:50Hz程度の低周波を持つ電磁波で、主に家庭の電気製品から発生します。
・ラジオ波:周波数が数百kHzから数GHzまでの電磁波で、ラジオやテレビの放送などに使われます。
・マイクロ波:周波数が数GHzから数10GHz程度の電磁波で、スマホやパソコンなどのデバイスから放出されます。
・赤外線:周波数が数10THzから数100THz程度の電磁波で、リモコンやセンサーなどに使われます。
・可視光線:周波数が数100THzから数1000THz程度の電磁波で、目に見える光の範囲に含まれます。
このように電磁波にはさまざまな種類が存在しています。
この中でも、家電製品・屋内配線などによる低周波、電子レンジ・スマホなどの高周波が問題とされている電磁波です。
電磁波の健康への影響
電磁波が私たちの健康に与える影響については、研究が進んでいます。睡眠障害や頭痛、集中力の低下、不妊などが電磁波によって引き起こされる可能性があるとされています。
ただし、現在のところ、その影響の程度については明確には解明されていません。しかし、電磁波が健康に影響する懸念から、電磁波対策を行うことが求められています。
電磁波が与える影響については以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
簡単にできる家の電磁波対策とは?基本を解説!
家の電磁波対策を行うためには、簡単な方法から取り組んでいくことが大切です。
以下に、初心者でも簡単にできる家の電磁波対策についての基本を紹介します。
家の中で対策したい電磁波は何かを考える
先に説明した通り、電磁波には種類があります。一般的に、家の中の電磁波で対策するべき電磁波は低周波です。高周波の問題も研究が進んでいるところですが、高周波はスマホの電波など常に飛び交っているため、対策がしにくいものです。
つまり、家の中の身近なところで対策するべきポイントは低周波だと考えられます。
また、低周波の中でも対策するべきポイントは複数あり、どの点を特に考えて対策するかは、電磁波対策の重要なポイントを知る必要があります。
以下で電磁波対策の重要なポイントを解説するので参考にしてください。
家の電磁波対策を考える上での大前提とは
まず、高周波に関して簡潔に話すと、
・高周波を発するものからできるだけ距離を取る
・高周波を発するものを使用しない場合は電源を切る
この2つが高周波対策の大前提です。
続けて、低周波に関して簡潔に話すと、低周波は電場と磁場の問題がありますが、電場は家電をコンセントに繋げただけでも発生し、磁場はスイッチをONにすると発生します。また、電場は壁や床下などの屋内配線からの影響も大きいです。これを踏まえて、低周波対策のポイントは以下の通りになります。
・低周波の電場は電化製品以外にも屋内配線からの影響も考慮する必要がある
・低周波の電場はアースをすると対策できる
・低周波の電場はコンセントを抜くと対策できる
・低周波の磁場は高周波同様に、距離を取ると対策ができる
このように、高周波・低周波の電場・低周波の磁場についてその特徴を知ると対策するポイントが理解できます。
家の電磁波対策の優先度を考える
優先度に関しては議論の余地があるかもしれませんが、私が考える電磁波対策の優先度は以下の通りです。
- 居室(主に過ごす部屋の電磁波対策/リビング・寝室・書斎など)
- パソコンなど長時間使用する家電
- 短時間使用する家電、テレビなど距離が取れる家電
- Wi-Fiルーターなどの高周波対策
まず優先すべきは居室です。家の中で主に過ごす居室は長い時間とどまるため、より電磁波対策が重要であると考えます。
また、パソコンなどの家電は直接触れて距離が近いため、対策の優先度が高いです。
そのほか、短時間使用する家電やテレビなどの距離が取れる家電は基本的な対策(使用しない時はコンセントを抜く、距離を取る)で問題ありません。
高周波に関してはスマホ・Wi-Fiなどが問題となりますが、やはり使用しない場合は電源を消すのが最善の対策です。
家の電磁波対策の具体例
ここでは、電磁波対策の具体例をいくつか紹介します。
活用できそうなものがあればぜひ実践してみてください。
スマホやパソコンなどの使用時間を減らす(低周波・高周波対策)
スマホやパソコンなどのデバイスは、周囲に電磁波(高周波)を放出しています。長時間使用することで、体に悪影響を与える可能性があるため、使用時間を減らすことが大切です。
たとえば、スマホを使用するときは、必要な時間だけ使用し、使用しないときは電源を切っておくことがおすすめです。
電源が切るのが難しい場合でも、ポケットなどにはしまわないで、体から離れたところに置いておきましょう。
また、スマホやパソコンは高周波の問題だけではありません。スマホは充電しながら使用すると、コンセント・充電ケーブルから伝搬した高い数値の低周波(電場)に曝露します。
パソコンも同様で、コンセントに繋いだままでの使用になると低周波の影響を受けてしまうので注意が必要です。
スマホ・パソコンなどを使用する際に、高周波に対しては使用時間を減らす方法が最適ですが、低周波に対してはアースを取る、またはパソコンの場合はプラグインアースを用いると低周波を低減し、身体への影響を限りなく少なくできます。
気になる方は以下の記事を参考にしてください。
電子レンジは遠ざける(低周波・高周波)
電子レンジは、強いマイクロ波(高周波)を発生させるため、身体に悪影響を与える可能性があるとされています。そのため、電子レンジを使用するときは、スイッチを押したらその場から遠ざかるようにしましょう。
また、電子レンジにも低周波の問題があり、電子レンジを使用しないときは、電場(低周波)が発生するためコンセントから抜いておくことも大切です。使用している際は磁場(低周波)が発生しますが、磁場は距離を取ればいいので高周波同様に電子レンジを稼働する際はその場からできるだけ離れるようにしてください。
電子レンジ設置場所にアースコンセントがあるのであれば、アース線に繋いでおくのをおすすめします。電場の数値を限りなく低減するおすすめの方法です。
Wi-Fiルーターは適切な場所に設置する(高周波)
Wi-Fiルーターも、周囲に電磁波(高周波)を放出しています。そのため、寝室など、長時間過ごす場所には設置しないようにしましょう。また、壁に近づけると電磁波の強さが増すため、適切な場所に設置することが大切です。
Wi-Fiルーターが必要な場合は、使用する時間のみ起動するなど、高周波に被爆されにくい環境を作るのも重要になります。不必要時は電源を切るなどの対応を心がけましょう。
Wi-Fiルーター対策には以下の記事が参考になります。
以上の方法は、初心者でも簡単に実践できる電磁波対策の基本です。ただし、電磁波による影響は個人差があり、完全に避けることはできません。そのため、上記の方法を実践するだけでなく、必要に応じて専門家に相談することも大切です。
電磁波対策グッズの活用
電磁波対策グッズを活用することも、効果的な電磁波対策の1つです。
以下に、代表的な電磁波対策グッズを紹介します。
さまざまな商品が販売されており、効果が曖昧なものも存在するためしっかり納得したうえで購入するようにしてください。
電磁波カットシート
電磁波カットシートは、電磁波を遮断する特殊な素材でできています。これを電磁波が多い場所に貼ることで、身体への電磁波の影響を軽減することができます。
例えば、スマホやパソコンのキーボードやモニター周り、電子レンジの近くなどに貼ることができます。
とはいえ、効果を感じるには感覚的な部分もあり、感じ方はそれぞれです。
電磁波カットグッズ
電磁波カットグッズは、電磁波を遮断する素材を使った様々なグッズがあります。
例えば、電磁波カットカーテンや電磁波カットの布団など、生活に必要なものを電磁波対策グッズにすることができます。
この場合も、何の電磁波に対して対策したグッズ(アイテム)なのか、本当に対策の効果があるのかなどは、しっかりと見極める必要があるので、注意が必要です。
電磁波カットスマホケース
電磁波カットスマホケースは、スマホを使うときに放射される電磁波をカットするためのケースです。
スマホを持つ部分に特殊な素材が使われているため、身体に近づけて使っても電磁波の影響を抑えることができます。
とはいえ、この手の商品は気持ち程度の改善である場合が多く、試してみてよければ使用するくらいの気持ちがいいでしょう。
プラグインアース
プラグインアースは、コンセントに挿して使用することで、電気製品から発生する電磁波を逃がすことができるグッズです。逃がすことで、身体への電磁波の影響を軽減することができます。
主にアースリネンシーツと併用して用いるアイテムです。プラグインアースは、電気製品のアースを効率的にすることで、電磁波の放射を低減する効果があります。一般家庭ではアース線の長さが不足していることが多いため、プラグインアースを使うことでより効果的にアースをすることができます。
アースリネンシーツ
アースリネンシーツは、寝具に敷くことで、身体に溜まった電磁波を逃がすことができるグッズです。リネン素材に導電性の糸を織り込んでいるため、身体に触れる面をアースに接続することで、電磁波対策ができます。また、保湿効果もあるため、快適な睡眠環境を作ることができます。
プラグインアース、アースリネンシーツは一般販売されていないため、気になる方はお問い合わせください。
これらの電磁波対策グッズを活用することで、身近な電化製品から発生する電磁波を低減し、健康に配慮した生活を送ることができます。ただし、完全に電磁波をカットすることはできないため、適度な使用量や距離を心がけることも大切です。
環境改善でできる電磁波対策
環境改善による電磁波対策には、手軽に取り入れられる方法があります。その一つが室内の緑化です。植物は、空気中の有害物質を吸収すると同時に、電磁波も吸収する効果があるとされています。
実際に電磁波が低減できるかどうかは判断が難しいところですが、観葉植物やハーブを育てることで、空気の浄化やリラックス効果も期待できます。
さらに、プラグ類の整理も重要です。複数の電化製品を同じ電源につなぐと、電磁波が発生しやすくなります。プラグやコンセントを整理して、余計な配線を減らすことで、電磁波を軽減することができます。
これらの方法は、初心者でも簡単に取り入れることができます。日常的に実践することで、電磁波対策を手軽に行い、快適な生活環境を作ることができます。
電磁波対策について注意すべき点
電磁波に対して、まず、過剰な対策は必要はないです。
実際に電磁波については、現時点で健康に悪影響を与えるとされる証拠はありません。
そのため、必要以上に対策を行うことは無意味で、むしろストレスや不便さを招くこともあります。
また、重要なのは安全基準値を守ることです。各国には、電磁波に関する安全基準値が定められています。これは、人体に悪影響を及ぼす可能性がある電磁波のレベルを設定し、それ以下のレベルであれば安全とされています。家電製品などがこの基準値を守っているかどうかを確認することが重要です。
また、電磁波対策を行う場合は、正しい情報を得ることも大切です。インターネット上には、正しい情報と間違った情報が混在している場合があります。信頼できる情報源から得られた情報を基に、適切な電磁波対策を行いましょう。
最後に、電磁波対策には限界があります。完全に電磁波を遮断することはできず、あくまでも軽減することが目的です。適切な対策を行いつつ、生活を送ることが大切です。
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